2024年4月からはじまった朝ドラ「虎に翼」。
第13週では大庭家の遺産相続問題が勃発し、兄弟それぞれが身勝手な感じでしたが、梅子がきれいさっぱり大庭家を捨て去ることで兄弟たちは我に帰り、協力しあうようになりましたね。
また、家庭裁判所を広めるための広報活動にも忙しく動き回る寅子でした。
ラジオに出演したり茨田りつ子さんを招いての愛のコンサートを開催したり。
その甲斐あって、家庭裁判所は広く認知されるようになり、寅子もまた一躍有名人になっていきました。
虎に翼の基本情報
虎に翼の基本情報です。
放送局 | NHK |
---|---|
放送時間 | 毎週月曜~土曜 朝8:00~8:15 |
出演者 | 伊藤沙莉、森田望智、松山ケンイチ、沢村一樹、滝藤賢一、三山凌輝、土居志央梨、戸塚純貴 |
主題歌 | さよーならまたいつか!/米津玄師 |
あらすじ | 昭和のはじめにできた日本初の女性専門法律学校。その卒業生から初の女性弁護士が誕生します。主人公の寅子もその1人として日本中から注目されあこがれの存在に。日本初の女性弁護士で後に裁判官になった1人の女性の人生が描かれます。 |
公式HP | https://www.nhk.jp/p/toranitsubasa/ts/LG372WKPVV/ |
虎に翼第14週「女房百日 馬二十日?」の相関図
虎に翼第14週に関係する人たちを相関図にしてみました。
虎に翼第14週「女房百日 馬二十日?」あらすじ
虎に翼第14週「女房百日 馬二十日?」のあらすじです。
ひょんなことから有名人になった寅子(伊藤沙莉)はますます仕事に追われるように。家庭を花江(森田望智)に任せきりになっていることが気になるが、星朋彦(平田満)の本の改稿作業の手伝いを引き受けてしまう。長官室を訪ねた寅子は星の息子・航一(岡田将生)と出会う。一方、家裁では日本人の男性とフランス人の女性の離婚調停を担当。息子・栄二(中本ユリス)は窃盗事件を起こし、両親ともに栄二の親権を手放したがっていた。栄二の心を開くことができない中、寅子は穂高(小林薫)の退任記念の祝賀会に出席する。
NHK虎に翼公式HP
虎に翼第14週「女房百日 馬二十日?」66話~70話までのネタバレ
妻は百日、馬は二十日もすれば飽きてしまうということから、はじめのうちはどんなものでも珍しがられるが、すぐに飽きられてしまうことの例え。
虎に翼第14週のネタバレです。
虎に翼(66)7月1日(月)放送のネタバレ
昭和25年寅子は取材を受けている。
寅子が話しているがが、どうしても多岐川もいろいろ伝えたいことがあるようで、最後に割り込んできて、愛の裁判所といいおいしいところを持っていった。
ちょっとむっとするする寅子。
汐見が今日は佐田さんの取材なんだからと多岐川に注意するが、記者はいいですよいいですよと気を遣う。
そして、記者、あの、ちょっといいですか?妻も母も佐田さんのファンでして、サインをとせがまれる寅子。
色紙に喜んでサインする寅子だった。
去年の愛のコンサートで茨田りつ子のラジオ放送により寅子は一躍有名になったのだった。
だが、取材や講演会、雑誌連載など、他の裁判官の誰よりも目立ち活躍している寅子の成功をあまり喜ばしくないと思うものもちらほらといた。
急いで家に帰る寅子だが、優未は既に眠っていた。
優未が眠る前に帰れることはなく、帰ってからも寅子は持ち帰った仕事に取り掛かる。
優未は目を覚ますが、隣に敷かれたままの寅子の布団と枕を寂しそうに見ていた。
寅子は仕事のため机に向かっていたがそのまま眠ってしまっていたのだ。
優未は小学1年生、直人は高校1年生、直治は中学1年生になった。
就職活動をしている直明は、おねえちゃんが楽できるように高い給料の仕事選ぶからと言うが、寅子は家の事はいいからやりたい仕事を選びなさいよとアドバイスした。
直明は今度相談に乗ってほしいと寅子に言い、寅子はいつでも聞くわと言った。
優未は花江のお手伝いをしていることを寅子に報告。
寅子は褒めて、学校のお勉強もがんばることと優未に笑顔で言った。
皆は花江の前に勢ぞろいし、花江に行ってきますと言い各々出発する。
花江は笑顔で送り出すが、皆が出発するとその笑顔はすっと消えた。
竹もとで人と待ち合わせをしている寅子、あまりの忙しさから気を抜くとあくびが出てしまう。
そこへ梅子がおまちどおさまと団子とお茶を持ってきた。
梅子はよねたちと暮らしながら竹もとで働いているのだった。
轟弁護士事務所ではよね轟が困っている人達を助けている、そこでよねは孤児の子どもたちに雑炊をふるまったりとお世話もしていた。
竹もとで待つ寅子のもとに桂場とライアンがやってきた。
御用があるなら私から伺いましたのにと寅子が言うと、ライアンは桂場が団子を食べているところを見るのが好きだからと答える。
すると桂場がすかさず、仕事の話ではないからだと付け加えた。
ライアン、実はね、これは星長官が大正15年に書かれた本なんだけどねと寅子に本を手渡す。
もちろん知ってます、学生時代何度も読みましたと興奮気味の寅子。
すると本に一枚の写真。
そこには星長官の他に、桂場とライアン・多岐川の姿もあった。
この本のもとになった講演を3人で聞きに行ったその時の写真だとライアンは言う。
そして続ける。
この本を新民法に合わせて内容を改稿したいそうで、ぜひサディにお手伝いをお願いできないかと。
私にですか?と驚く寅子。
ライアンは民法改正に関わったサディだからこそ×ことがあるんじゃないかってと言う。
桂場は断ってくれていい、目が回るような忙しさだろ、無理をしてまた…と言う。
また?心が折れて逃げ出すんじゃないかと?と寅子。
それをにやにやしながら見ているライアン。
ぶっちょうずらの桂場は目をそらすが寅子は覗き込み笑う。
そして言う。
でも、桂場さんなら引き受けますよね?
猪爪家では寅子は今回の本の改稿を引き受け、休日に作業をすることになったと皆に告げ謝る。
花江は仕事なら仕方ないわよというが、子どもたちは机に向かい宿題をしていて寅子の方を見向きもしなかった。
そんな優未の背中はなんだか寂しそう。
休みの日、寅子は最高裁判所の長官長室の扉をノックし佐田ですと中に入ろうとするが誰もいない。
扉を締める寅子。
すると廊下に1人の男性がたたずみ寅子を見ている。
その男性はなるほどと呟く。
寅子はえ!?なるほど?と言う。
すると男性は話し出す。
ごめんなさい、びっくりする人が手伝ってくれるとしか父から聞いていなかったもので。
その男性は横浜地裁の判事をする星長官の息子・星航一だった。
寅子も自己紹介をしようとするがご存じのようですねと言う。
すると航一はもちろん、今日本で一番有名な裁判官でしょうと答えた。
2人は部屋に入る。
航一は父は急用が入り今日は来られないから私と改稿作業をお願いできますかと聞く。
寅子、ええ、それはもちろんですと答える。
それを聞いた航一は言う。
しかし驚いた、あの佐田寅子さんが手伝ってくださるとは。お忙しいのにありがとうございます。
寅子はあの?に引っかかり、あの?と言うのはと航一に聞いてみる。
航一はん?とはてな顔。
すると寅子は、ごめんなさい、あのっていろいろな含みを持つ言葉でしょ、だからついと微妙な笑顔でうつむいた。
沈黙が続く。
寅子は視線をあげてみる。
すると真顔の航一が気になさらない方がいいと言う。
それはつまりやはり含みのあるあのだと、と微妙に笑いながら聞く寅子。
航一はなるほどの一言だけ。
そして、一息いれてから始めましょうと2人はお茶を飲んだ。
寅子は、航一のことをとってもやりにくい相手だなと感じていた。
虎に翼(67)7月2日(火)放送のネタバレ
長官室で星航一と向き合っている寅子。
寅子は言う。
「日常生活と民法」読み返しましたが法律を身近に感じることができる名著ですねと本の感想を伝えた。
そして、法改正された場所を改稿すればさらに長きに渡り愛されることは間違いないと思いますと笑顔で付け加えた。
それを聞いた航一はまたなるほどだけしか言わない。
毎回休日返上で星長官の著書「日常生活と民法」の改稿作業で手伝いに向かう寅子。
戦後、法改正された箇所の調整を行っている。
書き直した原稿をお互い読む寅子と星長官の息子航一。
作業は今回で3回目だが、長官は一度も顔を見せていない。
寅子が書いた部分をいいですねと褒める航一。
すると星長官が初めて改稿作業にやってきた。
長官は、佐田くん、なかなか来れずにすまなかったねと寅子に謝り差し入れを渡し、さらに休日なのに悪いねと言う。
寅子はとんでもない!大変名誉で光栄だと思っておりますと答える。
航一は寅子が父さんをべた褒めだよと言うと、星長官は私なんて口うるさいだけのじじいだよと言い、自分の話をする。
私が長官になるまえに裁判官の職を離れていたのはね、弁護士の方が断然稼げたからなんだ。
すると航一がそれはかあさんが病気になったからでと説明するが長官は続ける。
あいつが死んでからも裁判官に戻らなかった。結局信念より金をとったわけで。
航一は百合さんたちを待たせているんでしょ?と話をさえぎる。
あ~そうだった!百合は今の女房でね、航一の子どもたちの世話もよくしてくれてという長官、すると突然、そうだ!佐田君の知り合いで息子にあいそうなご婦人はいらっしゃらないかねと寅子に聞く。
寅子ははて?
長官は理由を言う。
航一の妻も戦時中に病気で亡くなってね。そんなところまで親に似なくていいのに。このままじゃ私も…
すると航一がほら、もう行きなよ、これ佐田さんと僕が書いた原稿、と長官に原稿を渡す。
長官は佐田さん、楽しみに読ませていただくよと部屋を出ていった。
長官が去った後、父の言うこと真に受けないでくださいと言う航一だった。
寅子と航一がお互いの原稿を読み合い調整したものを長官がさらに書き直す。
寅子の書いた原稿の一部に赤線が引かれ大変よろしいとコメントが書かれているのを寅子は嬉しそうに見た。
仕事抜きで法律と向き合える今回のお手伝いの時間が寅子は楽しくてたまらなかった。
そんな原稿に夢中の寅子を外から窓越しに眺める優未はどことなく寂しそう。
弁当片手に家庭局に戻ってきた寅子。
おかえりと言いながらも、稲垣が、ん!?今日交流昼食会じゃなかったか?と聞く。
寅子は答える。
はい、私が主催した家事部と少年部の親睦を深めよう昼食会の日です。
じゃあなんでここに?と汐見。
誰一人いらっしゃいませんでしたと言う寅子。
そして頭の中の小橋が騒ぎ出したことも話す。
頭の中の意地悪小悪魔小橋が寅子にまとわりついてごちゃごちゃと言う。
少年部と家事部の抱える案件は性質が違う、協力し合う必要はない、目立つ女は嫌いだ、面白くない、いい加減理想をすてろ、現実をみろ~~
寅子、耳を抑えてやめてぇ~と叫ぶ。
現実ってなんですか?理想って掲げ続けないとただのごみ葛ですよ!と声を荒げる。
それを聞いていた多岐川が、君、今日は一案と荒ぶってるなぁと横から入ってくる。
そこへ前髪ピンの小橋が帰ってくる。
そんな小橋を睨む寅子だった。
竹もとには寅子と航一。
航一は寅子に言う。
すみません、せっかく来ていただいたのに。
父は序文は自分で書きたいと言い、もう少しでできそうだから少しお待ちを。
寅子は、もちろん、それに調度いいです、今日でお手伝いは終わりでしょ、なんだかとても寂しくてと言う。
黙ってしまう航一に、寅子があら、航一さんも?と言うと、航一は否定もせず、最後の確認をしておきましょうと原稿の束を出した。
表紙に目が留まる寅子。
表紙には星朋彦著の下に、星航一、佐田寅子補修と書かれていたのだ。
自分の名前がと驚く寅子。
私はただお手伝いをしただけでという寅子に、航一はお手伝いの度はとうに超えていますよと言う。
感慨深そうな寅子。
夫が言ってたんですと寅子は優三が法律の本を出したいと言ったことを思い出している。
うなずきながら、代わりに夢を叶えたってことにしちゃおうかしらと言う寅子。
なるほどという航一。
出た、なるほど、という寅子。
航一、そんな風に喜んでもらえるなら父さんも出涸らし冥利につきます。
出涸らし…と呟く寅子。
航一が言う。
穂高先生に最高裁判事をお願いした日でした。
回想シーン
穂高、いやぁ私なんぞに声をかけてくださるとは…。
星、分りますよ、もう自分は人生を頑張りつくした、時代も変わった、役目を終えた、いわば出涸らしだ。
穂高、出涸らし、はははは、出涸らし、そりゃいい。
星、でもねぇ先生、出涸らしにだからこそできる役目や若い奴らに残せることがあるんじゃないかい?
何かを考える穂高。
現在に戻る。
航一、ただの口説き文句かもしれない、でも今はこの本も父なりの出涸らしの役目なのかと。
それを聞いた寅子は微笑みながら言う。
出涸らしにしては味も香りも上等すぎますね。
でも、その時の自分にしかできない役目みたいなものは確かにあるのかもしれないわ。
そういう寅子をちょっと愛おしそうに見つめる航一。
するとガラガラと竹もとの扉が開き、待たせてすまないねと長官がやってきた。
出来立てほやほやの序文を聞いてくれるかいと長官が読み上げる。
今次の戦争で日本は破れ国の立て直しを迫られ、民法も改訂されました。
私達の現実の生活より進んだところのものを取り入れて、規定していますから、これが国民になじむまで相当の工夫や努力と日時を要するでしょう。
人が作ったものです、古くなるでしょう、間違いもあるでしょう、私はこの民法が早く国民になじみ新しく正しいものに変わっていくことを望みます。
民法は世間万人知らねばならぬ法律であります。
決して法律家にのみ託しておいて差支えない法律ではありません。
私のこの拙著がいささかにても諸君の民法に対する注意と興味とを喚起するよすがとなることをえましたならば、まことに望外の幸せであります。
昭和25年6月星朋彦。
それを聞いていた寅子はじめ梅子や竹もとのおかみや店主、竹もとにいる人皆が拍手を送った。
しかし星長官は本の出版前に亡くなった。
長年病と戦い続けていたことは近しいわずかな人間しか知らなかった。
桂場と穂高は喪服姿でウィスキーを飲んでいる。
桂場がもう一軒行きますか?と穂高を誘う。
穂高は、これも持て余してるくらいでね、昔のようにはいかないねとウィスキーが残ったグラスを置いた。
自宅にいる喪服姿の寅子。
補修者として寅子の名前も記された日常生活と民法の改訂版を優三の写真の前にそっと置くのだった。
虎に翼(68)7月3日(水)放送のネタバレ
昭和25年10月、初代・星長官が亡くなって数か月後、後任には山本紘作が就いた。
山本紘作が最高裁判事達に言う。
最高裁では新憲法下で初となる判断が迫られています。
ぜひ皆さんのご意見を伺いたい。
穂高は最高裁判事の1人に任命されていた。
東京家庭裁判所の家事部の根元と長峰が待つ廊下、急いで走ってくる寅子。
長峰が寅子に説明する。
息子さんの親権の話になった途端にもめてしまって。
寅子は、ああなるほど、双方親権を求めて争いにと言うと、根元がいえ実はその逆でしてと言う。
逆?と寅子が不可思議な顔をすると、長峰は双方親権を持ちたくないそうなんですよと言った。
調停室に入ると、ある夫婦がお互いの意見を主張する。
夫の裕司、お前が育て方を間違ったせいだ。
妻のルイーズ、家にも帰らずさんざん女遊びしてきたあなたに言われたくない。
私は全てを捨ててフランスに帰りたいんです。
日本人の父親とフランス人の母親のもとに生まれた梶山栄二は窃盗事件を3件も繰り返し、現在は少年部で調査中なのだ。
家事部で離婚調停中の両親は2人とも親権を持ちたくないと言っていた。
寅子は待合室の栄二のもとに行き待たせてごめん、終わったわと声をかける。
栄二は母親と目も合わせず部屋を後にする。
ルイーズは一礼をして栄二の後に続いた。
少年部の事務所で栄二の件で壇に協力を依頼する寅子。
壇は調査中だぞと、守秘義務もある、お互いの審判に影響を及ぼし合っては行けないのと言う。
寅子はただ私は少年部と家事部が連携して事件にあたることで見えてくる希望の光があるのではないかと。
壇、こちらの審判はこちらの審判、以上!と協力してくれそうもなかった。
頭の中の小橋がまた寅子の背後から現れる。
それを寅子はしっしっと追い払った。
家に帰ってきた寅子に優未がこれ見てと84点のテストを見せる。
直治も優未頑張ったでしょと言う。
寅子は、間違えた部分はきちんと復習して勉強するのよ、そしたら次は100点だからとテストを優未に返す。
優未ははいときびきびした返事をするが、そんな寅子の対応に直明は少し不満そうな表情を浮かべるのだった。
今日は早かったわねと言う花江に、寅子は今月は少し早くきてしまってと答える。
あら大変と花江は寅子を気遣った。
寅子は昔から月経の時体調が悪くるのだ。
布団の中で丸まっている寅子。
優未がお母さん行ってきますと声をかける。
するとえ!?やだ、もうそんな時間?と飛び起きる。
優未はお姉さんだから送ってくれなくても平気、じゃぁねと得ていった。
言ってらっしゃいと呟く寅子。
外で待っていた直明は本当にお母さんに送ってもらわなくていいのと優未に聞く。
だって優未とじゃキラキラしないからと寂しそうな表情で優未は答える。
気になる直明だったが早く行こうと言う優未を追いかけた。
3年前の昭和22年に生理休暇が労働基準法に盛り込まれてたが、家裁の人員不足とこれだから女はと言われたくないので寅子は月経の痛みに耐えながら仕事をしていた。
どんよりと席に座る寅子に、佐田君、今日どこかで打ち合わせをしたいんだがどこかで時間あるか?と話しかける多岐川。
間髪入れず、寅子はごめんなさい、ありませんと答える。
ちょっとぐらい時間あるだろと多岐川。
すると寅子はこれから調停委員さんと打ち合わせ、午後から審判が2件、その後講演があって、その後、夜間相談の当番です。
それでも多岐川、昼!昼飯を食いながらどうだ?
あぁそうだ、お昼休みならと寅子。
すると汐見があれ?お昼は人に会うって言ってなかった?と寅子に聞く。
あぁそうだったと寅子。
多岐川、じゃぁあれだな、佐田君と話すには俺が夜間相談しに行くしかないかと言うと、寅子はぎろりと多岐川をにらんだ。
そして慌ただしく出ていく多岐川だった。
寅子がお昼に会う約束をしていたのは航一。
寅子は本にサインをして航一にどうぞと渡す。
ありがとうございます、母にねだられましてと航一。
いいえと返す寅子。
航一は言う。
父の件では大変お世話になりました。
父にとっても僕にとっても楽しい思い出になりました。そして…すみませんでした。
父の病気のこと黙っていて。
それを聞いた寅子。
いえ、なんとなくは分っていました。
私の父が亡くなる前と長官の姿が重なることがあって。
航一はなるほどと言った。
そして寅子。
よく思い出します。お父様がここで読んでくださったあの言葉。民法だけじゃない。新しくて理想的なことを行うには相当の工夫や努力と日時を要するもの。学生時代から心底わかっているはずなのにうまくいかないと腹が立つ…。
ごめんなさい、愚痴です、忘れて。
それを聞いた航一。
悩む意味あります?言ってたでしょ?
その時の自分にしかできない役目があるかもしれないって。
だからうまくいかなくて腹がたっても意味はあります。
必ず。
梅子はそんなやりとりをする2人をそっと見ていた。
1950年昭和25年10月、ある最高裁判決が言い渡された。
長官の山本、多数の欠が集まりましたので憲法に違反しない合憲ということでよろしいですかと言う。
それに足して神保が当然異議なしですと答えた。
そこには会議室に1人残って考え込んでいる穂高の姿があった。
猪爪家。
道男も来ている。
直人や直治、道男は新聞を読んでいる。
道男は新聞に書いてある尊属殺についてなんだ?と寅子に聞く。
自分より上の世代の人を死なせてしまうことと寅子は答え、より詳しく、新聞の記事は尊属殺人を罰する法律が憲法に反しているのでは?っていう話し合いがなされたことが書かれているのと直人たちに説明する。
直人は憲法に反しているってどういうこと?と聞く。
寅子と直明は食事の手を止めて寅子が説明する
憲法第14条で人間は方の元に平等と定められているのに尊属殺は死刑または無期懲役それ以外の殺人は死刑または無期懲役もしくは3年以上の懲役と刑罰の重さが違うの。
そして直明。
今の法律だともし道男が僕を殺したらう~ん3年入る刑罰かもしれないけど、直人が僕を殺したら死刑か無期懲役になるってことだよね。
寅子はうなずいて、特別な事情がない限りはそういうことになると話す。
直人、直治、道男はえぇぇ~…と驚いた様子。
寅子は言う。
被告人の父親はふだんから周りに暴力をふるうことがあって彼はずっと我慢していたの。事件当日も父親から盗みを働いたと一方的に疑われて鍋や鉄瓶を投げつけられてね。
ついカッとなって鉄瓶を投げ返してしまった。
それが父親の頭にあたって死なせてしまった。
一審の判決では事情を組んで執行猶予がつけられた。
死刑や無期懲役にはできないって。
でも検察は裁判のやり直しを求めて最高裁に上告した。
直明が尊属殺の法律が憲法に反しているかどうか、それが裁判をやり直す鍵になったってことだよねと言う。
寅子がそうと言う。
道男は言う。
そんなの反してるに決まってるじゃん。
暴力ふるってたのは父親の方だろ。
直人が合憲って書いてあるってことは?と聞く。
寅子が言う。
残念だけど裁判はやり直し。
恐らく被告人はもっと重い刑罰になる。
重罪を科す尊属殺の規定は憲法に反する裁判をやり直す必要はない。
判決の中でそう反対意見を訴えたのは最高裁判事15人の中で2人。
矢野さんという判事と穂高先生よ。
直治が2人なんてそれっぽっちじゃ何も変わらないよと言う。
寅子は言う。
ううん、そうとも言い切れない。判例は残る。
例え2人でも、判決が覆らなくても、おかしいと声をあげた人の声は決して消えない。
その声がいつか誰かの力になる日がきっとくる。
私の声だって、皆の声だって決して消えることはないわ。
何度落ち込んで腹がたったって、私も声をあげる役目を果たし続けなくちゃね。
同じ布団に入る優未の寝顔を見つめている寅子に、待合室で1人だった栄二の姿がよぎった。
虎に翼(69)7月4日(木)放送のネタバレ
竹もとには寅子と桂場、ライアンの3名がいる。
寅子は桂場たちから穂高が体調がすぐれず最高裁判事をやめるという話を聞かされる。
祝賀会の幹事を桂場がやるから寅子にも手伝ってほしいとライアンが言う。
それを言われたときの寅子の表情を見た桂場、なんだ君、断りたいのか?と寅子に聞く。
寅子はまさかそんなと言う。
桂場は名誉なことだから君が喜ぶと思ったんだがなと無理矢理に笑顔を作る。
その顔を見た寅子、ええ、ぜひ、もちろん、お引き受けしますともと愛そう笑いで答えた。
日本人の父とフランス人の母を持つ梶山栄二の調査記録を見ながら母親も父親も栄二をお互いになすりつけて、ちっとも考えていない様子だったことを思いう浮かべる寅子。
お弁当を食べだす多岐川に寅子が話し出す。
私は多岐川さんやライアンさんが掲げた家裁の理想に近づきたいんです。
よりよい世の中になると確信しているから。
すると多岐川。
俺は家事部も少年部もみぃんな理想を掲げてると思うぞ。
裁判の独立が司法を汚さないすべであり気高い理想だということは君も理解できるだろう?彼らはそれを必死に守ろうとしているように俺には見える。
それを聞いた寅子。
つまりり現実と理想ではなく、理想と理想がぶつかりあっていると?
それじゃどうやって相手を納得させるんですか?
多岐川はそれが分るなら俺は家裁の理想をとっくに達成させているだろうなと言うと、寅子は机に頭を落とした。
家庭裁判所少年部へ寅子が行く。
壇に少しよろしいですかと話しかける。
手身近になと言う壇。
寅子が話す。
では、栄二君は幼いころから容姿のせいでいじめられ、戦時中はスパイの子、日本の的と学友からののしられ続けてきた。
窃盗で3度逮捕されているが主犯格は別にいる。
孤独から居場所を求めて非行に走った。
調査記録を読むとそのように推察できるのですがどうでしょう?
壇はふぅとため息をつき、恐らく間違っていないと言う。
寅子は恐らく?と言い返す。
壇は言う。
梶山栄二は貝のように口をつぐんで何も話そうとしない。
彼にまっとうな居場所を作り必要がある。
だが本人の気持ちを理解せんことには、はぁ、なんともならんのだ。
寅子はわかりました、ありがとうございましたと言うと、なんだもういいのかと壇が言う。
寅子は言う。
やはり少年部も家事部も目指す道は同じだと今確信できたので。
離婚と親権の問題、少しでも早く着地させます。
そのためにもご両親だけでなく栄二君とも話して本当の気持ちを探ります。
栄二のやつ本当に一言も口を聞かないぞと言う壇に、それでも彼の幸せのためにやってみたいんですと言う寅子だった。
調停室。
栄二の父親が言う。
俺は栄二の面倒なんか見ませんよ。
今一緒に住んでいる相手が妊娠しましてね、早くケリをつけてそいつと結婚したいんです。
それを聞いた長峰。
ではその女性と生まれてくる子どもと共に新しい環境で栄二君と再出発されたらどうですか?
勘弁してくれよ、そういうのは母親の仕事でしょ?と言う栄二の父親。
それを聞いた母親。
離婚後はフランスへ帰って心機一転やり直すつもりなんです。
栄二を養える自信もありませんし。
父親はらちがあかないので裁判でもなんでもやってくださと言うのだった。
待合室で待つ栄二に少しだけ話をという寅子だったが、栄二は何も言わず足早に去っていく。
すみませんと謝りながら母親もその後に続いた。
審判を行う場合は栄二の親権を誰に持たせるのか寅子が決めることになる。
下を向いて考え込む寅子だった。
穂高の退任記念祝賀会の日。
会場の入り口では来場者を向かえる桂場と多岐川と寅子。
穂高がやってきて、佐田君、今日はありがとう、本当にありがとうと寅子に声をかける。
寅子は、先生ご苦労様でしたと穂高をねぎらった。
ライアンが穂高を中へ誘導すると穂高は後でゆっくり話そうと寅子に言い部屋に入っていった。
桂場が寅子に、見ただろ、あの先生のうれしそうな顔と話した。
壇上に達、挨拶をする穂高。
前最高裁長官星朋彦先生はご自身と私のことと出涸らしとおっしゃった。
もう人生を頑張りつくし、時代も変わって、役目を終えた存在だと。
でも出涸らしだからこそできる役目若い者たちに残せることがあると。
こういう会を開いていただけると言うのも出涸らしとして最後まで自分の役目を果たすことができたからかなとそう思おうと思った。
法律を一生の仕事と決めた時から旧民法に異を唱えご婦人や弱き者たちのために声をあげてきたつもりだった。
もっと何かできることがあったのではないか。
ご婦人の社会進出。
新民法のうたう本当の意味での平等。
尊属殺の重罰既定の違憲性…。
出涸らしも何も昔から私は自分の役目なんぞはたしていなかったのかもしれない。
結局私は大岩に落ちた雨垂れの一滴にすぎなかった…。
挨拶をする穂高を涙しながら厳しい目で見据える寅子。
穂高の挨拶は続く。
でも、なにくそともうひとふんばりするには私は追い過ぎた。
諸君、後のことはよろしく頼む。
本日は本当にありがとう。
頭を下げる穂高。
すると寅子は突然花束を多岐川に預け会場を出て行ってしまう。
ライアンが、ではこれより穂高先生の教え子である佐田寅子君より花束の贈呈ですと声がかかる。
しかし、寅子は居ない。
桂場がおろおろと焦る。
多岐川が先生おめでとうございます!と花束を渡す。
少し悲しそうに花束を受け取る穂高。
拍手がおこった。
桂場は会場の外でガキ!何を考えているんだ!と寅子に激怒する。
佐田君、と穂高がやってきた。
穂高を見つめる寅子、そして穂高に言う。
謝りませんよ私は。
先生の一言で心が折れても、その後気まずくても感謝と尊敬はしていました。
世の中そういうものと流される辛さを知る、それでも理想のために周りを納得させようと踏ん張る側の人だと思っていたから。
私は最後の最後で花束であの日のことをそういうものだと流せません。
先生に自分も雨垂れの一滴なんて言ってほしくありません。
すると穂高。
あああぁぁぁ~!謝っても駄目、反省しても駄目、じゃあ私はどうすればいい!?
寅子どうもできませんよ!と叫ぶ
穂高の前に建ち言う。
先生が女子部を作り、女性弁護士を誕生させた功績と同じように女子部の我々に報われなくても一滴の雨垂れでいろと強いて、その結果歴史にも記録にも残らない雨垂れを無数に生み出したことも!
だから私も先生に感謝はしますが、許さない。
納得できない花束は渡さない!
世の中そういうものだと流されない。
それでいいじゃないですか!
以上です。
コツコツと大きな足音をならして去っていく寅子。
それを聞いた穂高は動けないでいた。
多岐川とライアンはどっちが声をかけるかお互いなすり合っていた。
多岐川がそんな所にいらしたんですかと声をかけライアンが先生中で飲みましょうと誘導する。
穂高は寅子が去った方に目をやったあと、そうだねと細かい歩幅でとことこと力なく会場に戻った。
寅子は屋上に行き、うわぁ~~っと思い切り叫び空を眺めた後頭を抱えてやってしまったとばかりにしゃがみこんでしまった。
家庭局の中からはガラス越しに汐見と稲垣と小橋が、佐田、大丈夫なのかな、どうします?と見ていた。
虎に翼(70)7月5日(金)放送のネタバレ
家庭局で机におでこをつけチーンとしている寅子。
汐見が昨日はそんなにひどかったんですか?と聞くと、多岐川が、あぁ、あれは法曹界の歴史に残ると言い、皆が笑う。
そこへがらがらっと扉が開き、穂高がちょっと失礼するよと入ってきた。
寅子は突然のことに驚きながらも、元気ですか、穂高先生!とその場をつくろうために声をかけるが、多岐川にそのごまかし方は無理があるとツッコまれる。
寅子に話がある穂高に気を使い、多岐川達は気を利かせ席を外した。
2人きりになり寅子は穂高先生昨日のことですがと切り出す。
すると穂高がすまなかったね佐田君と謝罪の言葉が出る。
へっ?と寅子。
穂高が言う。
私は古い人間だ。
理想を口にしながら、現実では既存の考えから抜け出すことができなかった。
だが君は違う。君は既存の考えから飛び出して人々を救うことができる人間だ。
心から誇りに思う。
それを伝えたかった。
それを聞いた寅子。
私は先生が古い人間とは思いません。
尊属殺の最高裁判決、先生の反対意見を読みました。
昨日のことは撤回はしませんが、先生の教え子であることは心から誇りに思っています。
穂高が答える。
ありがとう。
後は君たち若いものに託したよ。
そう言って、穂高は椅子に腰を下ろす。
寅子は私てっきり怒られるのだとばかりと言うと、そんなことはせん、そんなことは、これ以上嫌われたくないという穂高。
寅子は慌てて、先生!私別に先生のこと嫌いなわけじゃと伝える。
穂高は、ホホホ、分っとるよそれなりに好いてくれているのはと言った。
そして、よかった、最後に笑ってすっきりした顔でお別れできそうでと安堵した様子の穂高。
穂高は寅子にさらにアドバイスをする。
佐田君、気を抜くな。
君もいつかは古くなる。
常に自分を疑い続け、時代の先をあゆみ、立派な出涸らしになってくれたまえ。
寅子は微笑みながらはい!と答えた。
数日後、寅子はなんとか栄二1人と話す時間を作ることができた。
調停室に入ると栄二が待っていた。
長峰が、栄二君の身の回りのお世話はずっとお母様がやってきたのよね?と聞く。
根元も、ならばお父様よりお母様が側にいる方がやっぱり落ち着くかい?と聞く。
栄二は何も答えない。
寅子が言葉を発する。
どうでもいい?
そりゃどうでもいいわよね。
そんな投げやりなと心配した長峰が言うが寅子は続ける。
栄二君が今抱えてる苦しみは本来背負わなくていいことじゃない?
栄二君、私は本音ではね、別にご両親にこだわる必要はないと思っている。
もっと本音を言えば、ご両親にあなたを任せたくない。
あなたは犯した罪と向かい合わなくてはならない。
でもそれと同時に、あなたが生きて大人になるまで見守り育てることは私たち大人全員の責任なの。
もちろん親に愛されたいと思うことは自然なことよ。
その場合はどちらと暮らしたいか正直に教えて。
どっちとも暮らしたくなかったら?と栄二が初めて口を開く。
寅子はその気持ちを優先すると答え、例えば親戚の誰かとかあなたに優しかった大人、誰か頭に浮かぶ?と聞く。
栄二は答える。
勝枝さん。
勝枝さんって?と寅子。
栄二が説明する。
父さんの義姉さん。
ガキの頃時々映画に連れてってくれて。
父さんの浮気の事で勝枝さんがしかりつけてそれっきり…。
もう会うなって。
勝枝さんに連絡撮ってみましょうか?あなたの味方になってくれるかもしれないと栄二に言う寅子。
味方?と不思議そうに寅子を見る栄二。
寅子は言う。
栄二君が頼る大人は親である必要はないの。
とにかくね、私は、あなたがこれ以上苦しいおもいをしなくてすむ道をあなたと探したいの。
そう言いながら寅子は栄二を見つめる。
栄二もまた寅子の目をじっと見つめ、大きくうなずいた。
壇が栄二がしゃべった?と驚く。
それで?という浦野。
おばの勝枝さんと言う方の所在を探りりたいのですがと言う寅子に、浦野がわかったと快諾。
家事部と少年部が協力して勝枝を探し出し連絡が取れた。
勝枝は事情を知ると栄二の監護者になることを快く承諾。
それを条件に父親が親権を持つことになった。
窃盗事件も勝枝のおかげで保護観察となった。
栄二は勝枝にうながされ大きい声で挨拶をした。
元気でねと言う寅子。
勝枝とともに廊下を歩いていく栄二、ふと立ち止まり、寅子の方を見てにっこり笑いぺこりと頭を下げたのだった。
寅子が家裁の理想に少し近づけたと感じていたころ、穂高は眠ったまま穏やかに亡くなったのだった。
夜の竹もとには喪服姿の桂場・ライアン・多岐川・寅子が集まっていた。
竹もとの店主とおかみは好きに使ってくださいと気を利かせ自分達は休みに帰った。
学生時代の桂場とライアン・多岐川と穂高が写っている写真が机に置かれている。
じゃ、献杯と皆で穂高をしのびながらお酒を飲む。
寂しいね、偉大な先輩たちが次々と旅立ってとライアン。
多岐川が、仕方がない、人はいつか死ぬ、だからいつ死んでもいいように我々は全力で生きて全てを出し切るしかないのさと言う。
桂場は山盛りのあんことくし団子をつまみにぐいぐいとお酒を飲む。
ライアンにあまり強くないんだからと心配されるのをよそにぐいぐい飲む桂場。
多岐川が寂しいんだよな、桂場、だってお前友達ないもんなと言う。
寅子が失礼ですよ多岐川さんと言うが、ライアンも多岐川もかわまず笑う。
酔っぱらっている桂場が先生の教えはとうに俺たちにしみ込んでいる!と言う。
俺たち?俺たちって俺たちかと寅子の肩に手をまあわして多岐川が言う。
桂場はそうだ!と勢いよく答えて続ける。
周りになんと言われようと、己の描く理想のために、虎視眈々と突き進むしかない!だから泣いている暇なんぞない!
そうだねと穏やかにライアンが同調する。
寅子があの、桂場さんの理想とは?と聞くと、横になろうとしていた桂場がむくりと起き上がり言う。
決まっている!司法の独立を守ることだ!
そして二度と権力好きのじじいどもに好き勝手にさせないこと!
法の秩序で守られた平等な社会を守る!
つまり穂高イズム!
そうだろ!佐田君!
貴様!最高裁判決における先生の反対意見読んだだろう!?
その勢いに寅子も負けずと、はい!理想のために虎視眈々です!と答える。
すると桂場、何かを考え、虎視眈々…と呟く。
寅子、はて?
トラコが虎視眈々?ハハハハハハと笑いだし、団子のさらにかぶりつく。
寅子がそれお皿ですと慌てると、皿くらい食わせろと桂場は口から血を流して大騒ぎ。
多岐川が大笑い。
穂高の最高裁判決に書き記した反対意見は次のようなものだった。
「この度の判決は道徳の名の元に国民が皆平等であることを否定しているといわざるをえない。法で道徳を規定するなど許せば憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳。法は法である。今の尊属殺の規定は明らかな憲法違反である。」
尊属殺の問題は再び世間をにぎわすことになる。
穂高を弔ったその翌朝、喪服のまま大の字で眠る寅子をすんとした顔で見下ろしている優未の姿。
隣で寝ていた花江が障子を開けて、寅子をあきれ顔で見る、そして優未を心配そうに見つめていた。
「人はいつか死ぬ、だからいつ死んでもいいように我々は全力で生きて全てを出し切るしかない」という多岐川さんの言葉、いろいろなことに慌ただしい毎日ですが、常に忘れないようにしようと思いました。
虎に翼第14週「女房百日 馬二十日?」の感想
穂高先生との言い合い、とらちゃんの気持ちが理解できないと言う方もいたようで賛否両論あったようですね。
私が感じたのは少数派の意見だとしても、世の中の流れに逆らえない、叶わないといって一滴のしずくに過ぎないなどとあきらめがちで否定的に思うのではなく、そんな意見も大切で、それが後に何かを考えさせる結果につながる、意味があるものであると穂高先生にはプラスにとらえていてほしかったんじゃないのかなと思いました。
先生の力でとらちゃん弁護士が生まれたわけですしね。
最後は仲直りできてほっと一安心です。
でも、お祝いの席なのに、あそこまで怒るのは確かにちょっとひどいかもしれないけど。
さて、猪爪家の絆に小さなヒビが入り始めていましたというナレーションで終わってしまった第14週。
家族のために仕事をがんばらないとということもわかります。
でも、他人の幸せを考えることも大切ですが、もっと優未のことも考えてあげないとですよね。
優未にとってのママはとらちゃんです。
身近にいていろいろ話を聞いてほしいだろうし、もっと一緒にいたいだろうし。
大切な思春期に親が見守っていてくれないのは今後の人格形成に少し影響してしまいそう。