2024年4月からはじまった朝ドラ「虎に翼」。
第10週では司法省で働くことになった寅子は民法の改正に携わります。はじめは一度自分は逃げ出してしまった身であることから引け目を感じてしまい、思うように意見が言えずにいた寅子。しかし、いろいろな人と接し徐々に本来の自分を取り戻していきました。
今週は家庭裁判所設立に向け新たな上司となる多岐川のもとがんばるとらちゃんです。
虎に翼の基本情報
虎に翼の基本情報です。
放送局 | NHK |
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放送時間 | 毎週月曜~土曜 朝8:00~8:15 |
出演者 | 伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智 |
主題歌 | さよーならまたいつか!/米津玄師 |
あらすじ | 昭和のはじめにできた日本初の女性専門法律学校。その卒業生から初の女性弁護士が誕生します。主人公の寅子もその1人として日本中から注目されあこがれの存在に。日本初の女性弁護士で後に裁判官になった1人の女性の人生が描かれます。 |
公式HP | https://www.nhk.jp/p/toranitsubasa/ts/LG372WKPVV/ |
虎に翼第11週「女子と小人は養い難し?」の相関図
虎に翼第11週に関係する人たちを相関図にしてみました。
虎に翼第11週「女子と小人は養い難し?」あらすじ
虎に翼第11週「女子と小人は養い難し?」のあらすじです。
花岡(岩田剛典)が違法である闇市の食べものを一切拒否して栄養失調で亡くなったと聞き、衝撃を受ける寅子(伊藤沙莉)。戦地から戻った轟(戸塚純貴)はよね(土居志央梨)と再会し、苦しい胸の内を打ち明ける。翌年、GHQからの通達を受け、桂場(松山ケンイチ)らは家庭裁判所設立に向け動き出す。家庭裁判所設立準備室に異動することになった寅子は、残り2カ月で家事審判所と少年審判所を合併し、家庭裁判所を発足させなければならないのだが、話し合いは進展せず、上司の多岐川(滝藤賢一)からはやる気が感じられない。
NHK虎に翼公式HP
虎に翼第11週「女子と小人は養い難し?」51話~55話までのネタバレ
女性と徳のない人間とは近づけると図に乗るし、遠ざければ怨むので扱いにくいものである。個々の特性を理解しそれに応じた対応をすることが重要ということ。
虎に翼第11週のネタバレです。
虎に翼(51)6月10日(月)放送のネタバレ
花岡は一切闇買いもしないで栄養失調になって倒れてそのまま餓死したらしいと小橋が言う。
食糧管理法を担当していた判事が法を守って餓死したというその出来事は新聞記事にも掲載された。
その新聞を見て桂場も固まっている。
法曹界の人間のみならず世間の人たちも衝撃を受けた。
通りでその記事が掲載された新聞紙を握りしめる1人の兵隊。
それは戦争から帰ってきた轟だった。
行ってきますと家を出る直明や子供たち。
寅子もはると花江、優未に見送られ仕事に向かう。
はるがあまり気を落とすんじゃありませんよと花岡のことで寅子を気遣った。
夜の街、地べたに座り酒を飲んでいる轟。
そんな轟を蹴とばす人物・よねの姿があった。
よねを見上げて驚く轟。
よねは轟をカフェー燈台へ連れてきて、水をコップにくみ轟に差し出す。
その腕にはやけどの跡。
轟はよねに空襲か?と聞く。
よねはああと答え、ここのマスターは焼け死んだと言う。
知った顔がずいぶんいなくなったと寂しそうなよね。
よねは今は法律相談のまねごとをしてなんとか食いつないでいる状態。
壁には日本国憲法の第14条が大きく書かれていた。
よねは轟に新憲法を読んだか?と聞く。
轟はああと言う。
よねは女子部の仲間を思い浮かべながら言う。
ずっとこれがほしかったんだ、私たちは。男も女の人種も家柄も貧乏人も金持ちも上も下もなく横並びである、それが大前提で当たり前の世の中。
それを聞いた轟。
ほしかったと言う割にうれしくなさそうだな。
よね、これは自分達の手で手に入れたかったものだ。戦争なんかのおかげじゃなく。
うなずく轟。
よねはおもむろに、残念だったな花岡と語りかける。
轟は仕方あるまい、それがあいつの選んだ道ならばと天井を見る。
よねは轟に言う。
死んだ相手に強がって何になる。
強がる?何だよ急にと轟。
するとよね、ほれてたんだろ、花岡に。花岡と最後にあったときそう思った。
轟、お前・・・何をバカな事言ってんだ!
よねは言う。
バカな事じゃないだろ、ほれたはれたはカフェーで死ぬほど見てきたから、別に白黒つけさせたいわけでも白状させたいわけでもない。腹が立ったなら謝る。ただ、私の前では強がる意味がないそう言いたかっただけだ。
俺にも良くわからないと言う轟。
そうかとこたえるよね。
轟。
でも、もしあいつがいなかったら俺は弁護士を目指していなかった。花岡が帝大をあきらめて明律大で共に学べると知った時はうれしかった。佐田と添い遂げることにおじけづいて別の女と結婚したときは腹が立った。あの戦争のさなか、あいつが判事になって兵隊に取られずに住むと思うと嬉しかった。あいつのいる日本へ生きて帰りたいと思えた・・・
泣きながら轟は続ける。
でも、俺がずっと前から知ってる真面目で優しくて不器用がすぎる花岡ならばやりかねんとあいつらしいと・・・
そういって泣く轟。
民事局民法調査室に1人残っている寅子。
涙が頬をつたう。
そこへライアンと桂場が入ってきて慌てて涙をぬぐう寅子。
ライアン、サディまだいたの?これから桂場君と一杯やろうとかって話してたんだけど、どう?サディも一緒に。
寅子は娘が待っていますからと断った。
ああそっかとライアン。
すると桂場が言う。
もうメソメソするな。我々があいつのためにすることは泣くことじゃない。
そういって立ち去る桂場。
ライアンも気を付けて帰るんだよと寅子に声をかけ桂場の後を追った。
昼の噴水公園の階段によねと轟が座っていた。
墓参りに佐賀に帰らないのか?と轟に聞くよね。
轟は言う。
どこで祈ろうと届くだろ。骨がある場所じゃないと届かないなんて死んでいった仲間たちが浮かばれない。
轟はいつも花岡が座っていたベンチに向かい黙とうをした。
これからどうするんだと言うよね。
まぁなんとかするさと立ち上がる轟。
よねは言う。
腹が立つが私はまだ何者でもない。今の私じゃいくら助けを求められてもできることには限りがある。だから・・・
手を差し出したよねは続ける。
一緒にやらないか、弁護士事務所。どうせやることもないなら人助けでもしろよ。弁護士資格の持ち腐れになるくらいなら。
轟もよねの手を掴み握手をかわし、誘い方がまわりくどいぞと言った。
黙れ、さっさと帰るぞ、私は忙しいんだと言うよねに、その口の聞き方なんとかならないのか!と轟。
そして振り向いてもう一度花岡がいつも座っていたベンチを見てよねの後を追った。
2人が去ってすぐ、寅子がお弁当を持ってやってきた。
いつものベンチにすわりぼぉっとし、花岡を思う。
泣きながら弁当箱を開け、両手で持ち、いただきますとお弁当を食べる寅子だった。
花岡さん、お仕事がら闇市のものを食べずに栄養失調なんてね、切なすぎですね。奥さんや子供たちはしっかり食べれていたんでしょうか(涙)
虎に翼(52)6月11日(火)放送のネタバレ
昭和23年10月、花岡が亡くなって1年、新しい憲法にのっとって改革された司法制度に基づき、最高裁判所が発足してから1年半が立とうとしていた。
初代最高裁判所長は星朋彦が就任。桂場は人事課あ帳、ライアン(久藤)は秘書課長に任命されていた。
朋彦は聞く。
で、どうだい?例の件は。
まぁ問題はありますが、あの人ならきっとやり遂げてくれるでしょう、ね、桂場君、というライアン。
桂場もああと同調した。
滝に打たれる1人の男が映し出される。
たくさんの資料をもって走っている寅子が同僚に呼び止められる。
同僚は桂場さんが急ぎの用で呼んでるからすぐ人事課に言ってと言う。
桂場のもとに行く寅子。
本日付で家庭裁判所設立準備室に異動してもらうと寅子に言う桂場。
それを聞いた寅子、え!?今どことおっしゃいましたか?と。
桂場は言う。
家庭裁判所設立準備室。GHQから家庭裁判所を発足させるようお達しが来ているのはしってるよな?
寅子、はいそれはもちろん。
桂場、来年1月1日から新しい少年法が施行される。待ったなしだ。
寅子、もう2か月と少ししかないじゃないですか。
昭和24年1月1日から施行される新しい少年法には既に家庭裁判所の文言が記されていた。
それを聞いた寅子は資料を桂場の机に置き、座っている桂場と目線をあわせ、今、私の力が必要だと?
桂場はどこまで自信過剰なんだ君はと言う。
寅子、はて?違うんですか?
桂場、そう思いたければ勝手にそう思えばいい。と目線をそらす。
寅子、でしたら家庭裁判所設立までこぎつけた暁には今度こそ私を裁判官にしてください。
桂場は渋った表情で、君ねぇ・・・と言うとすかさず寅子は言う。
いつまでも嘱託職員のままでは家族を支えていくのに不安も残ります。いかがでしょうと桂場を見る。
わかった、善処しようと言う桂場は言い、場所は法曹会館だ、以上、俺は忙しいと手でしっしとする。
寅子は、約束守ってくださいね。失礼します。と法曹会館に向かった。
廊下を歩く寅子の顔は明るかった。
寅子が出ていった後ふぅ~っとため息をつく桂場。
ふと新聞に目をやる。
その記事は亡くなった桂場の奥さんが個展を開いたと言うものだった。
法曹会館の屋上に寅子がやってくる。
七輪の網の上でスルメイカを焼いているチョビ髭の男性。
あのと声をかける寅子。
おぉ、ちょうどいいところに来た、今焼けたところだと男性。
その男性は家庭裁判所設立準備室室長・多岐川幸四郎といって後に家庭裁判所の父と呼ばれる人。
焼けたするめをお皿にのせ、戸惑っている寅子に何してるの、なかで早く食べようと言う多岐川。
何が何だか分らない寅子に、家庭裁判所準備室室長補佐の汐見が言う。
あまりにも急な話で場所がなくてね、大急ぎでこの屋上に準備室を建てさせてもらったんだ。と。
中に入る寅子、小橋がいた。
寅子、ああ…
すると奥から久しぶりという声が聞こえた。
明律大学の同級生だった稲垣もいた。
寅子は稲垣さん、お久しぶり!と明るく声をかける。
寅子はあらためて佐田寅子ですと自己紹介をした。
汐見は佐田さんは確かご婦人初の弁護士なんですよねと言うと多岐川があっ?じゃぁ君なんでここに?と聞く。
寅子は話すと長くなるんですがと言うと多岐川はすかさずならいい!と言う。
そして続ける。
湿っぽい話も挫折話もつまらん。
寅子、えっ?ときょとん顔。
すると多岐川。
まぁ名前を言い合ったところで相手のことを知ることができるわけではない。相手を知るには…これとこれだろ。
とうれしそうに一升瓶を出してくる多岐川。
汐見がダメですよこんな昼間からと止めるがははははは、飲めば体もあったまるぞと多岐川。
汐見は悠長な事言ってられないんですよ多岐川さんと困った様子。
稲垣は寅子に同期と一緒に働けること嬉しく思うよ、花岡のこともあったからさと言う。
そうねと少ししんみりするが、すぐ花岡さんの文もがんばらないとねと気持ちを切り替える寅子。
すると多岐川。
なんだ、君たちあのバカたれ判事の同期なのか。
汐見は多岐川さん、ちょっと、とまた困った様子。
また多岐川は言う。
法律を守って餓死だなんてそんなくだらん死に方があるか?大バカたれやろうだね。
それを聞いた寅子。
そんな言い方あんまりです。撤回してください。
多岐川、撤回なんてするか、人間生き残ってこそだ。
そこに小橋にやにやしながら。
多岐川さん、佐田は昔花岡となんていうかほぼ男女の仲で。
寅子は言う。
そんな仲じゃありません。でも友人をバカ呼ばわりされれたまっていられないだけです。
そして多岐川。
どう考えてもバカだろ!この中にヤミ米を食わなかったやつがいるか?ん?いないだろ。つまりそうしなければ生きられなかったと言うことだ。
それを聞いた寅子。
えぇ、そうです。私も彼の死に納得はしていない。でも、花岡さんは人々を裁かなければならない者として悩みぬいてあの決断を。
多岐川、あ~やめだ!やめ!この議論は平行線だ。君も正しい、俺も正しい、それでいいだろ。
寅子、よくないです。
多岐川、ケンカ程時間の無駄はない。わかりあえないことはあきらめる
そこに汐見、佐田さん嫌な気持ちにさせてごめんなさい、後できちんと話しておくからと寅子に詫びた。
寅子が自宅にもどるとはると花江が炊事場で夕飯の支度をしている。
子供たちがお帰りと出迎えてくれるが直明はいない。
直明は大学の仲間たちと東京少年少女保護連盟というグループをつくり、戦争で親を亡くした子供たちと遊んだり相談に乗ったりするボランティア活動に夢中になっていた。
夜居間では家庭裁判所の話をする寅子とはると花江。
花江はとらちゃんすごいわ、その上司の方はともかく、新しい裁判所を作る一員になれるなんてと言う。
それに対して寅子は説明する。
GHQの指令って家庭裁判所を作るために少年審判所と家事審判所を合併させろってことなんだけど、このふたつは全く別物なの。家事審判所は遺産分割や離婚などの家庭問題を取り扱う、つまり民間のもめ事を解決するところ。少年審判所は大正から続く行政機関で非行や罪を犯してしまった少年たちがおくられる審判所でさまざまな手段で彼らの処遇を決めるの。
花江はならなんで一緒にならないとダメなの?と聞く。
寅子は答える。
来年1月1日から施行される少年法で決まっていることだから。でもたった二か月で全くの違うものを同じ組織に編成しなおすなんて無理な話で。
シーンは変わり、少年審判所と家事審判所のメンバーの話し合いの場。
少年審判所の壇が言う。
おかしでしょ、発足一年足らずの家事審判所と合併だなんて。
今度は家事審判所の浦野が言う。
彼らは検察と一緒で行政機関でしょ?我々の司法の独立が保たれなくなるでしょう?少年法の施行延期を提案して議論しなおすことはできないんですか?
汐見がなだめようとする。
一旦落ち着きましょう。戦争が終わって国民の生活は混乱しています。だから…
浦野はさらに言う。
混乱?それは外地から数百万の人々が一気に帰ってきていることですか?夫や親族が生死不明で大勢のご婦人方が相続や離縁の問題で立ち往生していることですか?
続いて壇。
それとも親をを亡くし引き取り手のない子供たちが街中にあふれかえっていることか?
混乱しているのは現場の俺たちが一番分ってんだ!バカたれ!
それを聞いた汐見は落ち着いてください、それら全ての問題を解決するための合併なんです、GHQの言う通りここは二つの組織が手を取り合ってと解決しようとするが、浦野は君はGHQの回し物か!?と立腹で2つの組織は相容れようとしない。
議論が白熱している中、多岐川はいびきをかいて居眠り。
それを見てあきれる寅子だった。
またまた、多岐川というクセが強いキャラがでてきた~(笑)滝藤さんがはまり役過ぎてすごい!
虎に翼(53)6月12日(水)放送のネタバレ
家事審判所と少年審判所の話し合いは相変わらず進まず、ただただ月日だけが過ぎていく。
相変わらず多岐川はやる気がない様子。
そんな中、あまりの寒さにここはもっとどうにかならんもんかねという両審判所の人々。
それを受けて寅子や小橋・稲垣はストーブを設置している。
多岐川は愛しの香子(きょうこ)ちゃんが待っているから早く帰らなくちゃと汐見と帰っていった。
家庭裁判所が正月までに合併なんて無理だよな、前に佐田と口論していた時も分かり合えない時はあきらめるって言ってたしな、もう諦めてんのかなという小橋。
すると稲垣、けど、家庭裁判所が設立できなかったらどうなっちゃうんだ?と言う。
小橋、そりゃ責任とって誰かの首が飛ぶだろと。
それを聞いた寅子、そりゃ困るわ…
稲垣は、いやいやいや簡単に首はきられないだろ、腐っても判事だし。
小橋、まぁおれらはな。
小橋と稲垣は憐みの目で寅子を見る。
寅子はこの仕事を失うわけにはいかないと多岐川たちを追いかける。
多岐川と汐見を見つけ、寅子は多岐川さん!と呼びとめる。
そして言う。
あの、私、まだ納得できていないんです。今反対を押し切って無理矢理に家事審判所と少年審判所を合併させる必要が本当にあるのかと。私、桂場さんと約束してるんです。1月1日までに家庭裁判所の設立にこぎつけられたら裁判官にしてもらうって。人生かかってるんです。
それを聞いた多岐川はじわりじわりと寅子に向かって来る。
そして叫ぶ。
バカたれが!
あっけにとられて目を見開く寅子。
多岐川は続ける。
この大バカたれが!何でおもっと早く言わない?そんなモヤモヤしていい仕事ができるわけがないだろう。かぁ~っ!これだから最近の若いもんは。
寅子、若いって私もう34歳…
さえぎって多岐川呟く。
いや、まて、直接納得できないと言いに来るだけいいのか?
そして寅子にうん、偉いぞ佐田君と言い、汐見を先に返し寅子についてきたまえと言う。
寅子がついていくとそこは最高裁判所秘書課長室のライアンのもと。
ライアンは大好きな二人のサプライズ訪問うれしいな~とお気楽なご様子。
多岐川はライアンに言う。
彼女は君の部下だったんだろ?その間何も教えてなかったのか?
寅子、え?なんの話ですか?
多岐川がライアンの横に並び、それは我々が目指すファミリーコートの話と言う。
するとライアン、そりゃするタイミングないでしょ、我々の仕事は今まで法律の改正がメイン…。
多岐川、言い訳はいい!君が推薦したと言うから彼女には理念が叩き込まれているものとばかり。きちんと教育してからよこしていただきたいものだ。
寅子、多岐川さん、お言葉ですが…
多岐川、お言葉はいらん!まず君はライアンから我々が目指すものについて勉強なさい。俺は帰る。
ライアンがクッキーなどで引き留めるも多岐川は香子ちゃんが待っているからと嵐のように去っていった。
タッキーおもしろいよねと笑うライアン。
寅子はお忙しいのにすみませんと言う。
ライアンは何があったの?と寅子に聞き、寅子は家庭裁判所の合併について納得できていないことを話す。
紅茶を飲みながらライアンは話す。
あれは真珠湾攻撃の1年前だったな。アメリカ中の裁判所を視察して回ってね。それでアルバートとも仲良くなって、それで案内された中で一番心をうたれたのがファミリーコート。家庭裁判所さ。
ライアンは寅子に写真を見せ目をキラキラ輝かせながら続ける。
一歩入ると入口には花や絵画が飾られていてね。音楽が流れて明るくて、日本のあのわざと暗くして威厳付けようとしてる裁判所とは大違いでしょう。相談受付には子供たちを連れた女性たちが並んでいてね。それを案内する職員にも女性がたくさんいて笑顔で和やかだ。居心地がよくてより健康的な生活に近づける空間で少年の問題と家庭の問題が同じテーブルで語られているんだよ。それを見て気づかされたんだ。子供たちと家庭の問題は地続きなんだって。子供の問題はまずは家庭の側面から。逆もまたしかり。しかも事件だけではなく少年や相談者の生活にも目を向ける。それが社会の平和ひいては未来の平和につながっていく。まぁ裁判所本来の考え方や今までのやり方とは全く違うから戸惑うけどでも憲法が変わった今この仕組みを真似しない手はないでしょ。誰もが気軽に訪れることができる間口が広い裁判所。家庭裁判所は生活に根付いた温かな愛にあふれた場所になると思うんだよ。
寅子が質問する。
多岐川さんはライアンさんからファミリーコートの話や今の話も聞いているんですよね?
ライアンは答える。
もう何度も僕のところを訪ねてきてはアメリカでの話を聞かせてくれってせがんできてね。まあ彼ほど少年問題に熱心な人はいないよ。
寅子は多岐川が熱心?とイマイチ腑に落ちない様子。
ライアンは続ける。
サディ、彼のもとでならサディも学ぶことがある。僕はそう思って君を推したんだよ。それに君たちはウマが会いそうだしね。はは。
寅子はすかさず、残念ながら今のところは全くと笑顔で返す。
寅子が家に帰ると直明が食事をとるところだった。
はるはあなたも夕飯食べちゃってと言う。
寅子と直明は夕飯を一緒に食べている。
寅子が多岐川の話をするとびっくりしてえ!?多岐川さん?と聞き直す直明。
直明は多岐川はアメリカで行われているBBS運動を日本に初めて取り入れたすごい人なんだと話す。
寅子は人違いじゃない?といつもの多岐川からは想像できないでいる様子。
直明はええ、そうかな?と首をかしげた。
翌日準備室に行くと多岐川と汐見が既に居た。
多岐川はライアンから勉強してきたかと聞く。
寅子は貴重な話が聞けましたと答える。
すると汐見が言う。
佐田さん、昨日は言えなかったけど、多岐川さんは裏で壇さんは浦野さんと話し合いを続けているんだ。
えっ?そうなんですか?と寅子。
多岐川は、多岐川幸四郎を見くびってもらっちゃ困ると目を見開いて言う。
次回は寅子も同席することになった。
多岐川の言う通り同席してみると、ただの飲み会。
寅子唖然。
家庭裁判所の話をしませんかという寅子だが、多岐川に仕事の話はやぼだよと止められてしまう。
寅子は少し失礼しますと席をはずす。
汐見はグラスを手に一口飲んでぎょっとする。
ハンカチで手を拭きながら戻ってくる寅子は思い出す。
ここは花岡さんと食事をした場所。
花岡が亡くなってまだたった1年しかたっていないのに、ぜいたくはできないながらも、食べるものに困ることも少なくなっていたのだった。
寅子がテーブルに戻ると汐見がつっぷしていた。
浦野たちにしっかりしろしっかりと言われている汐見。
寅子は汐見さん?と声をかける。
お酒が飲めないのにコップを間違えて飲んでしまった様子。
寅子と多岐川で汐見を抱え家に連れて帰る。
寅子が家に連れ帰ってきて気が付く。
表札が多岐川と汐見と2つありましたけど、2人は一緒に住まわれてるのですか?と聞く寅子。
多岐川も相当酔っぱらっているようで、きょうこちゃぁん、君の愛し野旦那さんが酔いつぶれちゃいましたよははははぁとご陽気。
奥から女性が出てくる。
その顔を見て寅子は止まる。
その顔はひゃんちゃん・かつて明律大学女子部で一緒に学んだ仲間・香淑だった。
目をそらす香淑だった。
虎に翼(54)6月13日(木)放送のネタバレ
多岐川の家にいたのはお腹の大きな香淑だった。
ひゃんちゃんだよねと寅子が言うと、その名前で呼ばないでと冷たくいいはなち家の中に戻っていく香淑だった。
寅子ははて?今のって催香淑ですよねと多岐川に聞くと、多岐川は酔っぱらいながらもそうだがと答えた。
しかし、多岐川はすぐに飛び起きて、しまった!きょうこちゃんに絶対に佐田君を家に連れてくるなって言われてたのにと寅子を玄関から外へ追い出した。
家に帰った寅子ははるや花江、直明にひゃんちゃんを見たことを話す。
花江も直明もあんなに仲がよかったのにおかしいよねと言うなか、はるだけはそうしなきゃ行けなかったんでしょうといった。
はるは言う。
ご結婚されたんでしょ、あなたの同僚と。私も直言さんと一緒になる時に故郷の友人を縁を切りました。生きていればいろいろありますよ。
多岐川の家では酔いつぶれた汐見をひゃんちゃんが微笑みながら介抱している。
それを寝巻に着替えた多岐川がのぞき、おやすみと声をかけた。
翌日寅子が準備室に入ると汐見と多岐川既に来ていた。
汐見は昨夜の事も香子の事も黙っていてごめんと謝る。
寅子はやっぱりひゃんちゃんなんですよねと聞く。
汐見は言う。
彼女は僕との結婚をきっかけに香子と名乗ることにしたんだ。
汐見が香子とのことを話そうとすると寅子はいいんです、ひゃんちゃんのことは彼女自身から聞きたいのでと断る。
しかし、汐見はそう言わずに聞いてくれ、彼女から話してほしいと言われているんだと。
汐見は言う。
香子のお兄さんの事は知っているよね?労働争議扇動の疑いをかけられて逃走したお兄さんはその後発見されて逮捕された。その事件の予審判事だったのが多岐川さん。お兄さんは幸い罪を問われたなかった。お兄さんを通じて香子と知り合った多岐川さんは朝鮮で法律を学ぶ学生たちの手伝いを彼女に頼んだんだ。多岐川さんは彼らに法律を教えていたからね。一緒に働くうちにまぁ細かいことは割愛するけど僕らはひかれあっていった。でもお互いの家族から結婚を猛反対されて結局認めてもらえず2人とも感動されちゃってね。香子のご家族のことは責められない。僕は彼女のお兄さんにひどいことをした国の人間なんだから。その後戦争が終わって多岐川さんと僕は日本の戻ることになった。
彼女は国をでて僕についてきてくれて、感動されて居場所のない僕らを多岐川さんはずっと居候させてくれてるんだ。
彼女は今汐見香子という日本人として生きていこうとしている。とやかく言う人もいるからね。
香子からのd園ゴン催香淑のことわ忘れて私のことは誰にも話さないで。とらちゃんはとらちゃんの私語を頑張ってだそうだ。
うなずく寅子。
私は戦前彼女との約束を果たすことができませんでした。私にできることはないんでしょうか?
建付けが悪い扉がガラガラと開き、そんなもんあるか、と多岐川が入ってくる。
そして言う。
香子ちゃんは全部承知で汐見と結婚したんだ。どうするか決める権利はすべて香子ちゃんにある。
寅子、でも助けてほしくてもそういえない人だっているんじゃないでしょうか。
多岐川は寅子を見て言う。
じゃあこの国に染みついている香子ちゃんへの偏見を正す力が佐田君にあるのか?ないだろ?だったら黙ってろ。時間は有限だ。助けてほしいかどうか分らん人間に使う時間は君にはない。君が家を出てから家に帰るまでの時間は家庭裁判所設立のために使いたまえ。今この日本には愛の裁判所が必要なんだ。
1948年11月の末、各地で家庭裁判所設立に向けた話し合いが行われたがどこもうまくいっていない。
多岐川が居眠りする中、寅子たちもまた話をまとめるのに苦労していた。
準備室は隙間風でとにかく寒い。
多岐川が人口密度が下がると途端に寒いなと突然立って手を上にあげ万歳のポーズをして手首から先をぶらぶらと動かす。
何してるんですか?と聞く寅子。
眠気覚ましだという多岐川。
もう11月も終わりなんですよ、このままでいいねしょうかと寅子。
そこをなんとかするんだよ!絶対!なっ、と言いながら稲垣のと小橋の肩を掴み揺らしながら言う多岐川。
多岐川の合わせて寅子たち皆も万歳のポーズでてをぴらぴらぷらぷら振る。
ピンピンピンピンピン…
そこへ桂場が入ってきて、大丈夫か、ここは!と言う。
多岐川、おお桂場、お前相変わらず辛気臭い顔してるな。
桂場、そちらも愛かwらず間の抜けた顔ですね。
多岐川、言うね~。
桂場の要件は寅子に客人が来てるついてこいと呼びにきたのだった。
桂場の連れられ行ってみると、寅子への客人とは花岡の奥さん・奈津子さんだった。
寅子に向かい深々と頭を下げる奈津子。
奈津子を紹介された日の事を思い出す寅子。
奈津子さんは今花岡君のお父上の仕事の手伝いをされていてそれで東京にきていると桂場は紹介しているがそれを聞く間もなく、ささっと奈津子の前にたった寅子はごめんなさいと頭を下げる。
そして言う。
花岡さんが苦しんでいることに気づけませんでした。気づいていたら何かかわったかもしれないのに。本当にごめんなさい頭を下げる。
奈津子は言う。
家族が何を言ってもダメだったの。もし周りが説得しておれていたら私やいちゃうわ。私は佐田さんにお礼を言いたかっただけなんです。いつぞや夫に持たせてくださったでしょ、チョコレート。本当にありがとうございました。チョコレートのおかげで久しぶりに家族が笑顔になれたんです。夫もあなたに何度も感謝していました。子供たちもあんなふうに優しく強く育ってほしいなんて言って。
寅子は奈津子にお気をつけてと言う。
奈津子はお会いできてよかったわ、桂場さんも沢山絵を購入…
それを聞いた桂場はあ、もぉ、それはと言葉をさえぎる。
奈津子、お元気で、お互いがんばりましょうね、子供たちの為に。
そう言って桂場と寅子に会釈をし、奈津子は去っていった。
それを見送る寅子は少しだけ救われた気分になっていた。
そんな時桂場が言う。
家庭裁判所の設立は急務だ。彼女や君の義理の姉上のように家族に恵まれたご婦人ばかりではない。
分っています、でも正論だけでは皆さん納得しないんですよと答える寅子。
すると桂場、正論は見栄や詭弁が混じっていてはダメだ。純度が高ければ高いほど威力を発揮する。
それを聞いた寅子、私の正論は純度が低い…
バタン、と扉が閉まり桂場は部屋に戻ってしまった。
ということでしょうか~?と扉の外から大声で言う寅子だった。
虎に翼(55)6月14日(金)放送のネタバレ
1948年12月。
東京少年少女保護連盟の学生たちが家庭裁判所設立の準備室にやってきました。
寅子が直明に頼んでいたのだ。
二日前の事。
夜食を食べている寅子。
直明が遅くなってごめんねと帰ってきて言う。
あっ!今日仲間たちがおねえちゃんによろしく、応援してるって。本当に意義のある仕事だだってさ。おねえちゃんは立派だよ。
キラキラした目でそう言う直明。
寅子もはるも花江もその瞳に釘付け。
すると寅子、これですよこれ、と言い、直明のキラキラにかけてみようと思い家庭裁判所設立に向けて皆のまえで話してもらえるよう頼んだのだった。
家事審判所の浦野が佐田さんの弟さんと言うのは…。
僕と名乗り出る直明。
浦野、君か、このすばらしい活動への参加はおねえさまの影響かな?と聞く。
直明は答える。
それもあるかもしれませんが、恥ずかしながら将来進む道が決まらず、ならばせめて子供たちのためになりたいと思いまして。
少年審判所の壇は素晴らしい、君らと同じく1人でも多くの子供たちを更生させて救おうと必死んだよ。
うなずく学生たち。
浦野もまた言う。
ご婦人や子供たちを救えることに非常にやりがいを感じていますよ。
直明はお二方とも見ている方向は一緒ということですね?と尋ねる。
壇と浦野は微妙に微笑む。
寅子も微妙な表情でそれを見る。
直明は熱く語る。
僕らも全国の学生が団結することで支援が広がっています。お二方の所属する組織が団結すればより多くの子供たちを救うことができます。大人の事情があるのだとは思いますがそれと取っ払い手を取り合えるのは本当に素敵な事です。
直明のキラキラしながらの演説に感動する多岐川。
汐見や小橋も目が潤み、稲垣にいたっては号泣する始末。
壇は言う。
いやぁ~はずかしい、私達が彼らの手本となるべきなのに。
浦野。
管轄や名前で衝突してる場合じゃないですね。
多岐川。
その通り!さぁみなさん今こそ一丸となりましょう。
この日をきっかけに少年審判所と家事審判所の合併に反対する声は減っていったが、今まで自分ががんばってきたことが直明や学生たちの言葉でまとまってしまうなんて、なんだか釈然としない寅子だった。
彼らもきっかけがひつようだっただけだよ、おれるきっかけ。それが前途湯棒な若者たちの説得だったと言うことだよと汐見は言う。
小橋はいい作戦だったんじゃないのか、弟の力を借りて手柄を立てる作戦と言った。
大きな一歩を踏み出した寅子たちだったが、場所がないだの問題が山積み。
あと10日で何ができるのかと心配する寅子。
多岐川は何弱気になっている!お前たちしっかり腹に力をいれて交渉しろ!必ず取ると言う信念で行かなければだめだと檄を飛ばし立ち上がる。
ごきっ。腰をやってしまう(笑)。
12月30日、東洋家庭裁判所の事務所を置く場所がやっと決まった。
12月31日、猪爪家、直明の大学の仲間も手伝い、事務所作り作業が始まる。
多岐川がはるに年の瀬にすみませんとあやまるが娘のためですからと微笑みながら言うはる。子供の扱いにもなれている多岐川は優未にも声をかけ楽しませた。
夜も更け、最後の仕上げだととある絵を飾ろうとする多岐川。
小橋と稲垣が手伝い絵を壁にかけた。
その絵は花岡の奥さん・奈津子の絵。
家族でチョコレートを分け合う手が描かれていた。
花岡にチョコレートをあげたことや奈津子が言っていたことを思い出す寅子。
多岐川は言う。
人間、生きてこそだ。国や法、人間が定めたものはあっという間にひっくりかえる。ひっくりかえるもののために死んじゃぁならんのだ。法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。人が幸せになるためにあるんだよ。幸せになることをあきらめた時点で矛盾が生じる。彼がどんなに立派だろうが、法を司る我々は彼の死を非難して怒り続けねばならん。その戒めにこの絵を飾るんだ。
それを聞きながら絵を見つめる一同。
すると除夜の鐘がなる。
年が明けたと多岐川は言った。
準備室に戻りおせちを食べたり飲んだりしている寅子たち。
多岐川は一升瓶を片手に眠っている。
汐見が語りだす。
多岐川は自身が死刑判決を下した死刑囚の処刑を見に行ったことがあるんだって。その日以来怖くなったんだって。死刑を求刑したくないあまりに判決を捻じ曲げてしまうんじゃないかって。それから多岐川さんは凶悪事件を受け持たなくなった。彼の言葉を借りれば逃げたんだ。凶悪事件から逃げた自分がゆるせなくて自分をせめ続けたんだって。でも朝鮮からなんとか引き上げてきて上野の駅に降り立った時思ったんだって。何ももたない自分に寄ってくる子供たちを見て、俺が逃げずに居られるものを見つけたぞって。子供たちを幸せにしたい、そのためにもう死んでも逃げない、彼らのために残りの人生を全てささげよう。未来に種まく仕事をしよう。もう二度と自分を攻めたくないからって。
それを聞いた寅子はその気持ち少しわかりますと言うと、汐見はうん、多岐川さんも言ってたよ。佐田さんは自分にちょっと似てるってと答えた。
一升瓶を抱いて眠っている多岐川、その話が聞こえていたのかいないのか、寝言でつまり愛だ。と呟いている。
寅子たちは顔を見合わせて笑った。
寅子と優未とはるは準備室の椅子に体を寄せ合って眠っている。
そこへ多岐川がやってきて寅子に起きろと声をかける。
寅子、稲垣、小橋、汐見を連れて多岐川がやってきた場所は家庭裁判所の事務所前。
いつの間に着替えたんですかと聞く小橋。
多岐川はちゃっかりモーニング姿に着替えている。
そしてどうだ、心が震えるほどいい男だろと皆に言う。
寅子はふるえてますよ、この寒さにと冷たく返した。
多岐川は東京家庭裁判所という札を入口の扉横に貼って言う。
この光景をどうしても君たちと一緒に見たかったんだ。
昭和24年1月1日家庭裁判所が生まれた初めての朝。
寅子の目にも涙が光る。
虎に翼第11週「女子と小人は養い難し?」の感想
今週もたった1週間なのに、出来事盛りだくさん。
まずは、花岡さん、登場したときからなんだか覇気がないというか元気がない様子でしたが、やっぱり苦悩を抱えていたんですね。
その後奥さんは花岡さんのお父さんの仕事を手伝ったり画廊の仕事をしたりなどして子供たちとちゃんと生活できているようでよかった。
忘れてはいけないのが轟さんの無事生還とよねちゃんとの再会。
そして多岐川さんはインパクトありすぎです(笑)
続いてはひゃんちゃんの再登場。
テレビを見ながらえ!?って声出ちゃいました。
いくらいろいろあったとはいえ、とらちゃんにあの態度はないよなぁと思ってしまったけど、仕方ない事なんでしょうか。
また昔みたいに仲良く笑って話せる日が来るといいな。